タイ情報エッセイ

タイ社会でセキュリティについて考える

どうも、かぼちゃ太郎です。

タイで暮らしていると、「日本とはセキュリティの感覚がちがうなあ」と感じることがよくあります。今回は、わたしがタイ社会で感じたセキュリティと信用について考えてみます。

目次
  1. カフェでパソコンを開いたまま席を立つ
  2. 小規模企業のメールは無料のGmailばかり。ホームページはない。
  3. 頼りの Facebook は2022年で止まっている
  4. 店員さんがいないのに「OPEN」
  5. 契約を守らない、夜逃げ……という話もよく聞く
  6. 信頼されていたお坊さんのスキャンダル
  7. 詐欺がとにかく多い
  8. 個人情報の流出も
  9. わたしのところにも詐欺の電話が来る
  10. まとめ

カフェでパソコンを開いたまま席を立つ

タイのカフェでよく見かけるのが、パソコンを立ち上げたまま(スリープモードにもしないまま)席を立つ人。

日本だったら、パソコンを置いて席を立つだけでも少しドキドキしますし、画面をロックしないまま離れるなんて考えられません。でも、タイではわりとふつうの光景です。

これは、「まわりの人を信用しているよ」ということが前提になっているのかもしれません。

小規模企業のメールは無料のGmailばかり。ホームページはない。

ある程度の規模がある事業者でも、メールは無料の Gmail を使っているところが多いです。そして、ホームページを持たないお店もたくさんあります。

日本人のわたしからすると、正直、これだけで「大丈夫かな?」と信用できない気持ちになってしまいます。

頼りの Facebook は2022年で止まっている

そこで、タイの人がよく使っている Facebook を見てみます。情報がちゃんと更新されていることもあるのですが、2022年ぐらいで止まっていることもしばしば。

そうなると、そのお店がいまも営業しているのかどうかすら、わからないこともあります。

店員さんがいないのに「OPEN」

お店に行っても、店員さんがだれもいないのに「OPEN」になっていることがあります。入っていいのかどうか、迷うことも多いです。

契約を守らない、夜逃げ……という話もよく聞く

一方で、タイ人どうしの契約の不履行や、オーナーどうしのもめごと、夜逃げで裏切られた……という話もよく耳にします。

まわりを信用しているように見えて、じつは信用がくずれることも多い。このギャップがおもしろいところでもあり、こわいところでもあります。

信頼されていたお坊さんのスキャンダル

タイ社会では、お坊さんはとても信頼されている存在です。でも、そのお坊さんがセクシャルスキャンダルで信用を落とすことも、しばしばあります。タイ社会では、あたりまえのように聞く話です。

2025年の高僧たちが次々と還俗した事件

2025年7月には、ある女性が多くの僧侶と関係を持ち、その写真や動画をもとにお金を脅し取っていたとして、恐喝などの疑いで逮捕されました。AP通信の報道によると、警察は8万点をこえる写真や動画を押収し、この件にかかわった住職や高僧の少なくとも9人が還俗(僧籍を離れること)したとされています。

参考:Thai Police Arrest Woman Who Allegedly Seduced and Blackmailed Buddhist Monks(Khaosod English/AP通信)

2026年には、アユタヤの住職が横領の疑いで逮捕

2026年9月には、アユタヤの歴史ある寺院の住職が、寺への寄付金など約280万ドル分を横領した疑いで逮捕されました。AFP通信の報道によると、住職は女性との関係をうつした防犯カメラの映像が出回ったことでも注目を集めていて、資金を隠すのを手伝った疑いで女性も逮捕されています。

参考:Thai abbot arrested in US$2.8mil embezzlement, sex scandal(New Straits Times/AFP通信)

いちばん信頼されているはずの人でも、信用を落とすことがある。タイ社会の「信用」は、思っているよりずっともろいのかもしれません。

詐欺がとにかく多い

タイのセキュリティを語るうえで外せないのが、詐欺です。電話やSNS、ネットを使った詐欺のニュースを見ない日はないくらいです。

オンライン詐欺の被害は1ヶ月で約18億バーツ

2026年2月の Pattaya Mail の記事によると、タイの警察の統計では、2025年12月の1ヶ月だけで、ネットなどを使った犯罪の届け出が3万1,198件、被害額は約17億9,200万バーツにのぼりました(2024年12月の約22億900万バーツからは減っています)。

タイ政府は、詐欺のお金の受け取りや移動に使われる「ミュール口座」(他人の名義などで作られた、だまし取ったお金を流すための銀行口座)を、118万口座以上止めたそうです。

参考:Thailand suspends 1.18 million mule accounts as online scam losses decline, says Digital Economy Minister(Pattaya Mail)

国境の向こうの「詐欺拠点」に電気を止めた

こうした詐欺の多くは、タイとミャンマーの国境地帯などにある「詐欺拠点」から行われているといわれています。国連によると、東南アジアでは数十万人が人身売買され、こうした拠点で詐欺をむりやりやらされているそうです。

2025年2月には、タイに来た中国人俳優が誘拐され、ミャンマー側で見つかった事件をきっかけに、タイ政府がミャンマー国境の地域への送電を止めるという思い切った手に出ました。

参考:Thailand to cut power to Myanmar border areas to curb scam centres(New Straits Times/ロイター)

個人情報の流出も

詐欺とセットで心配なのが、個人情報の問題です。

通販会社の情報が詐欺グループへ

2024年には、タイのパソコン・IT製品の通販会社から顧客の個人情報が流出し、それが詐欺のコールセンターグループに使われていたとして、タイの個人情報保護委員会(PDPC)が700万バーツの罰金を科しました。タイの個人情報保護法(PDPA)による、はじめての行政罰とされています。客のもとには、会社の社員をよそおった人から、名前や住所を知ったうえで電話がかかってきたそうです。

参考:Thailand: First PDPA enforcement in Thailand – a landmark case(DLA Piper Privacy Matters)

ワクチン予約アプリの情報が流出

2023年には、「9Near」と名乗るハッカーが、タイ国民5,500万人分の個人情報(身分証の番号や連絡先など)を持っていると、ネット上で主張しました。警察によると、情報は保健省のワクチン予約アプリ「Mor Prom(モープロム)」から流れたものとされ、陸軍の曹長が警察に出頭しています。

参考:Hacker "9Near" Surrenders to Police(Khaosod English)

わたしのところにも詐欺の電話が来る

わたしのところにも、詐欺の電話はよく来ます。基本的に、知らない電話番号からかかってくるものは詐欺だと思っています。

というのも、わたしは普段、タイではネットショッピングをしないので、配達員さんから連絡が来ることもありません。何より、ふだん連絡を取る人とは、基本的に LINE でつながっています(タイは LINE 社会なのです)。

聞くところによると、大学生などはよく詐欺にあうらしい。

わたしの対策は、知らない番号からかかってきた電話にはいったん出ないこと。そして、その電話番号を Whoscall というアプリで確かめています。

電話番号を確かめるアプリ「Whoscall」の起動画面
電話番号を確かめるアプリ「Whoscall」の起動画面

まとめ

  • タイのカフェでは、パソコンを開いたまま席を立つ人が多い。まわりを信用しているのが前提なのかも
  • 会社でも無料の Gmail、ホームページなし、Facebook は2022年で止まっている……と、日本人の目には信用しにくいことも
  • 一方で、契約の不履行や夜逃げ、お坊さんのスキャンダルなど、信用がくずれる話もよく聞く
  • オンライン詐欺や個人情報の流出も多いので、自分の身は自分で守ろう

チェンマイでは、わたしはものを盗まれたことはありませんが、もちろんほったらかしはおすすめしません。警察に相談しても親身には乗ってくれないので、自分の身は自分で守りましょう!