【わが家のアップデート日記Vol.2】「テレビでコロナ情報少ないな」というとオリンピックを批判する悪者だと扱われるわが家。

エッセイ

最近はコロナのワクチンに関わる仕事をしているため忙しく、このブログにはノータッチでしたが、これは残しておかねばと思い筆を執ります。

感動のオリンピック。その間接的な影響とは?

オリンピックが閉幕してから1日。オリンピックの選手の活躍には本当に感動しました。大会運営までには大変長く曲がりくねった道のりでしたが、選手たちが様々な違いを乗り越えて喜びを分かち合う祭典を作り上げ、大会運営側では実現ができなかった「ダイバーシティ&インクルージョン」を世界中の私たちに示してくれました。特に東京オリンピックの陸上男子走り高跳び決勝では金メダルを二人で分かち合おうという選手二人の提案にはびっくりさせられましたが、涙がポロリと出てしまいました。

その一方、オリンピック下の日本では、この1年間の「今日のコロナの感染者数やばいね」は何だったのかと思えてくるほど感染者が増えてしまっています。1000人でびくびくしていた何か月か前には考えられない状況です。政府やオリンピック委員会は「オリンピックと感染者数増加は関係ない」と言いますが、実際のところどうなんでしょうか。選手村を抜け出して観光して資格をはく奪された選手も数名はいましたが、テレビの生放送中、画面の端っこのほうで青い支給されたユニフォームを着て選手の触ったところなどを除菌しているボランティアの方たちがいたりなど、強力な感染対策が行われており、「直接的な」影響はかなり低い程度のものだと考えられます。一方で,日本、特に感染爆発している東京などの大都市では「間接的」な影響はどうでしょうか。私はオリンピックによる感動や一体感の一方で、「お祭りだから自分たちも楽しもうぜ」的なノリが少なからず日本社会の雰囲気としてあったのではないでしょうか。大学生にはよくありがちですが、お祭りやイベントなどでテンションが勝手に上がってしまい、イェイイェイしてしまうようなことが、今回の東京オリンピック開催中に心の中のどこかであったのだと思います。私自身もオリンピック期間中は連日のようにメダルを取る日本勢、惜しくもメダル、入賞を逃したもののがんばっている選手たちの活躍を見てとても楽しんでいました。

イェイイェイ状態がよく表れているのが、東京オリンピックグッズが開催前までには在庫が有り余ってしまうことが危惧されていたのが、始まってからは公式ショップでは大賑わいで人気商品が一部在庫がなくなってしまうほど、グッズショップが好調になっているという現象です。私はミーハーなので去年の夏ごろにガラガラの公式ショップでじっくり選んだ結果オリンピックの柄のネクタイを買いましたが、今やじっくり選んでいられる余裕すらないほど大賑わいです。店員さんも昨年の状況と違い忙しくなって大変でしょう。

このようにオリンピックが「間接的」に私たちの心に余裕のようなものを発生させ、その結果、はばかりもせず外に繰り出したり、感染のリスクを甘く見すぎてしまったため感染が広がってしまったのではないでしょうか。もちろん、デルタ株という感染力が強いものが主流になってしまったことも一つの理由ではあります。社会生活を送る上で、毎日通勤しないと仕事ができなかったり、買い物に行かなければならなかったりリスクを0にすることは不可能です。ですが最初の緊急事態宣言の時のように外出を制限したり、マスクを鼻まで上げて正しくつけるなどリスクを考えることでもう少し違った状況もありえたのではないでしょうか。

オリンピック期間中のコロナの情報はほぼネットから。

オリンピック期間中は毎日のように選手たちが活躍しているため、テレビ中継が朝から夜までされ、協議が終了した後もデイリーハイライトが放映されています。私は、オリンピックの情報ももちろん楽しいので見たい情報ではあるのですが、仕事の関係上必ずコロナに関する情報を得るようにしていますが、なかなかテレビではコロナの情報がなく、各新聞社やニュースサイトを調べるしかありません。

いつものニュースはどこいったの?

そのままの時間で放送している局も、オリンピック特番になっている局もありました。ですがいつもと同じ時間でニュースを放映しているところもオリンピックの特集から始まると、オリンピックの話で終わり、間にちょこちょこっと気象情報や台風情報、コロナの感染者数の数字を挙げて「コロナ感染者数は過去最高となりました」というニュースを挟む程度。

日々研究が積み重ねられ、データが出てきているワクチンの話や、感染症専門の先生たちの出演時間も以前とは比べ大幅カット。本当に去年の何倍もの感染者が出て医療崩壊が起こっている(起こりかけている)今の情報提供としてテレビメディアは役割を果たせているのでしょうか。

「テレビでコロナ情報少ないな」=悪者になるわが家。

この疑問を「テレビでコロナ情報少ないな」と家でぽつりとつぶやくと、

家族からは「そりゃそうやろ、オリンピック期間中やねんからテレビはそれするの当たり前ヤン」と言われてしまいます。

私:「ん?なんでオリンピックはあんなに同じシーンばっかり流れて、コロナ過去最高に人数増えてるのにニュースでは『過去最高に人数が増えました。不要不急の外出は控えましょう。都道府県間の移動は控えてください。病床は大変なことになってます』って具体的にどう大変なことになってるのかワクチンの供給量がどうかとかの情報得られずニュースが終わるん?」という疑問しかわきません。

でも家族は「どうせそんなんいまみんなニュースなんかネットで調べるからテレビでやらんでいいやん。オリンピック見てる方が楽しいんやから」と言います。なんてお気楽なんでしょう。

「ニュースをネットで調べる」と聞くとこの記事を見てくれているような人はネットが使える人なので何も違和感を感じないでしょう。しかし、ワクチン関連の仕事をしていると、高齢者や中高年のネット環境がない人からするとどれだけ高度な技術かということがよくわかります。案外世の中には「ニュースをネットで調べる」ということが大変難しい人がたくさんいるのです。一方でそういった人たちはだいたいテレビからもしくは新聞、知人のうわさなどで情報を仕入れてきます。新聞を読む人はオリンピックだけではない情報も仕入れているでしょうが、テレビ・知人のうわさが情報源の人は数少ないコロナの状況やワクチンの情報しか入ってきません。ましてやテレビでオリンピックばかりやっていたらコロナや他の大切な情報はどこから得るのでしょうか。

こういったことはわが家はなかなか理解してもらえません。一般的にもそういった考えの方は多いでしょう。テレビに反論、もしくは疑問を持つと「反日」「世の中に逆らうやばいやつ」「オリンピック嫌いな奴は頭おかしい」「オリンピック反対デモしてるやつらはたいていなんもしてない奴らや」なんて言われることもあります。

メディアの特徴によって情報入手の仕方は変わる

テレビは情報を取りにいかなくとも情報が「流れてくる」媒体です。一方、インターネットは情報を「探しに行かないと見つからない」媒体です。Twitterなど情報が流れてくるでしょ?と思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、それはあなたのフォローやいいねなどの結果からAIが表示している情報で、勝手に流れてきて表示されているのではなく、あなたの嗜好に基づいてAIがあなたのため選び取った情報です。つまりインターネットでは常に自分の見たい情報だけが得られる仕組みになっています。

ここから考えるとテレビの果たさなければならない役割とは何でしょうか?はい、間違いないですね、「みんなにとって必要な生活に関わってくる情報」です。オリンピックはもちろん現在開催されているので必要な情報の一つではあります。ですが誰がメダルを取ったからと言って直接あなたの生活に影響があるわけではありませんので最優先事項ではありません。一方、コロナやワクチン、政治などの情報はどうでしょうか。これはあなたの命に直接かかわってくるものであり、政治はあなたの生活を左右するものになります。どう考えても時間を割くべきはこちらではないでしょうか。インターネットで情報を得られない情報弱者にとってはなおさら大事なことです。

だれかの視点に立つというのは大変難しいことだと思います。でも楽しいだけではなく、自らの生活を脅かしかねないコロナの情報、政治・経済の状況などを知ることも大切です。何がその時に一番必要なのか、他の人にも自分にもみんながGoodだと思えることは何だろうか、ということを考えるとアップデートでき、よりよい生活が得られるのではないでしょうか。

パラリンピックも楽しみながら、大事なこととはということを常に頭において生活をしたいものですね。

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