今日の後悔したこと。
私の勤める会社のサービスを20年程使ってくださったお客様からお電話をいただいた。話を聞くと、健康上の理由で使えなくなってしまったということで、今後は打ち切りにしたいという申し出であった。
私はその際「このお客様が20年も使ってくれていたのだから感謝を伝えよう」と思ったのだけど、なかなかうまい言葉が出てこず、結局「ありがとうございました」という平易な言葉でお電話を置いてしまったことにとても後悔した。
こういったことはよくある。お客様にはこういったはいいけどそのことばじゃ伝わってなかったかな、もう少しうまいこと言えたんじゃないかと2分ほど後悔してまた業務に戻る。そしてまたミスったな、こうしたらよかったと後悔する。
仕事はこの繰り返しだ。
その一方で、ほんのたまに「よし、これはうまくいった」ということもある。
例えば、先週、あるおばあちゃんから飛行機の時間の関係で諦めないといけないかもという相談をいただいた。その方はバスで空港まで行こうとしていたのだが、バスの時間は搭乗ギリギリの時間についてしまうことに気づき慌てて電話をしてきてくれた。おばあちゃんはスマートフォンを持っていないので簡単に調べられない。そこで若者の力を使ってインターネットで調べてみると、電車だと全く心配ない時間に空港に着くことができるではないか。
おばあちゃんに何時に○○駅から何線に乗って、何分乗ったらこの駅で乗り換えてと教えると、心の底からにじみ出るような感謝の言葉を言ってくれた。その感謝の仕方は私は今までにしたことのない音調であった。電話の向こうでどれだけ頭を下げて感謝してくれているのかがまるまると想像できた。そして私の手を取ってくれたようにも感じた。「諦めかけていたけど、あなたのおかげで行くことができるわ、本当にお世話様でした。」と。
今日後悔の念を抱きながら家に帰るとふとこのおばあちゃんの声が頭に浮かんだ。感謝はこう伝えるんだと。私は若者が10秒で調べられることを伝えただけなのにあんなに感謝されたのに、20年も使っていただいたお客様には誰にでもいえる「ありがとうございました」しか伝えることができなかった。
社会人になっての目標は、感謝を忘れないことと、感謝を表すことができるようになること。
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